九州工業大学

遺伝子を操作することで
世の中の役に立つ生物を生み出す

Researcher's Data

Name
花田 耕介
Affiliation
情報工学研究院
生命化学情報工学研究系
Job Title
教授
Campus
飯塚キャンパス
研究室についてもっと詳しく知るにはコチラ

「生物」を自由自在に合成することは今現在では不可能です。生物の体内では、多種多様な分子が物理?化学反応を繰り返しており、その結果として生命現象が引き起こされます。いわば、一つの生命現象を理解することは、一つの宇宙現象を理解するかのような果てしない道のりがあるのです。私の研究室ではこの生命現象を物理的?科学的に理解することを試み、社会の役に立つ植物や生物を創り出すことを目指しています。

Researcher's Data

Name
花田 耕介
Affiliation
情報工学研究院 生命化学情報工学研究系
Job Title
教授
Campus
飯塚キャンパス
URL
研究室についてもっと詳しく知るにはコチラ

研究内容

今まで、人類は食用に適した栽培植物や家畜を作り出してきました。今後は、世界の人口増加、世界規模の環境変化など目前の大きな社会課題を解決するためには、人類にとって有用形質(社会に役に立つ性質)を持つ生命体を構築する技術が必要です。そこで、私の研究室では植物のモデル生物であるシロイヌナズナ(シロイヌナズナは、他の植物に比べゲノムが小さく一世代が約2ヶ月と短いためモデルとして最適)を使用して、有用形質である乾燥耐性?高温耐性?冷温耐性?塩耐性?病害菌耐性を示す分子メカニズムを情報解析で予想し、有用形質を強化するゲノム(DNAの全ての遺伝情報)設計を行っています。その後、設計したゲノムを持つ組換え植物を構築し、予測した分子メカニズムによって、有用な機能が強化されているかを評価し、より強化すると考えられるゲノム設計を行います。このような作業を繰り返すことで、従来の方法よりも素早く有用な生命体を構築する技術開発を目指します。

 
 

課題

生物を利用するので、待ち時間がどうしても必要になります。また、ゲノムに手を入れ遺伝子を組み替える植物や生物を扱う以上、その環境への影響も併せて考えて行く必要があります。

 
 

この研究で、
暮らしはどうなる?

新興国の台頭により、合成生物学を利用した産業(ワクチンやバイオエタノールの開発など)が世界規模で加速化しており、我が国においても合成生物学を利用した物質生産が行われています。この研究を継続することで、将来的には様々な厳しい環境下での作物の生産、植物でのサプリや医薬品の生産、生きている木で作った建築物、生物を利用した物品輸送など、植物だけでなく多種多様な生物種を利用した合成生物を利用した産業に貢献できると思います。

 

今後の展望

実際のところ、人類にとって画期的な有用形質を持つ合成生物を創りあげるまでの道のりは果てしなく長いです。しかし、近年では多種多様な分子データの挙動を詳細に調べる機器が次々と出現し、この技術で構築されたビックデータは大量な分子データの挙動を予測できる大きなブレークスルーになると期待されています。
30年前はヒトゲノムが決定されるとはだれも期待していなかったように、大きなブレークスルーにより研究が加速度的に進展する可能性もあります。生物を利用した産業は需要度が高いため、思っても見ない方向で技術革新が進むと予測できます。数十年後には、生物の工学技術がもっとも期待される分野になることも十分考えられます。

 
 
 

研究の魅力

生物は「総合学問」です。生命現象や分子メカニズムを知ろうとすると、物理?化学?数学などの知識が必須になります。さらに、実際に実用化研究には、倫理的なハードルもあります。様々な分野の方が知識を振り絞って、一つの生理現象のメカニズムを理解できたときは非常に大きな感動を得ることができます。

 
 
研究を一言でいうと…
「希望と忍耐」。

生命のメカニズムを解明するために
多くの試行錯誤を繰り返しますが大抵は期待を裏切られます。
そんな中から希望が生まれることもあり、それがやりがいにも繋がっています。

 
 

必須アイテム

  • ■ コンピューターサーバ
    ゲノムを扱うにはやはり高スペックのサーバは必須!
  • ■ 人工気象器
    植物の育成のために?照度?温度?湿度を調節できる優れモノ。
  • ■ ピペット
    さまざまな種類のピペットを駆使します。
 
 

1日のスケジュール

起床
     
家を出発
     
職場での事務仕事
     
室員との研究打ち合わせ
     
授業or会議
     
研究活動&論文執筆
     
帰宅
     
就寝
 
 

ライフスタイル

  • ■ 休日の過ごし方
    子供の習い事(体操と剣道)を見て好きなことを言って、時間があるときはテニスをしてます。
  • ■ 研究者を志したきっかけは
    多くの人をまとめることが苦手で、自分の好きなようにしかできない勝手な人間には政治家(夢は総理大臣だった)は無理だと中学生で気付いた。自分の好きなことを思いっきり頑張るのは研究者かなと思った記憶がある。
  • ■ 心に残っている本
    若き数学者のアメリカ(藤原正彦)、大地の子(山崎豊子)、ローマ人の物語(塩野七生)、バッテリー(あさのあつこ)、一瞬の風になれ(佐藤多佳子)、義民が駆ける(藤沢周平)、竜馬がゆく(司馬遼太郎)、破船(吉村昭)、雪の花(吉村昭)、終わらざる夏(浅田次郎)、鉄道員(浅田次郎)。どれを読んでもハズレはないです。
  • ■ 好きな音楽?タレント
    WANIMA、かまいたち
  • ■ 自分の性格を一言でいうと
    素直(自分ではそう思っています)
 
 

学生の頃に
「しておいてよかった」
「しておけばよかった」

スポーツを一生懸命やればよかった。仕事も結局はチームプレー。チームスポーツから学ぶことは多いと思っています。
 

もし大学教員
ではなかったら

政治家の秘書(自分が尊敬する人の横でお手伝いをしたい)
 
 
 

九工大のおすすめポイント

しっかりとした教育。しっかりとした研究。バランスがいいと思います。

中高生へのメッセージ

厳しく、優しい、素晴らしい大学です。まだ将来が明確でなくぼんやりと入学したとしても、きっと何かが見つかると思いますよ。
 

この研究に
興味がわいたら…

ここに入学

  • 情報工学部
    • 情工2類
      (情報?機械?制御)
    • 情工3類
      (情報?電子?応用化学?生命科学?マテリアル)

ここに進学 (2年次?)

  • 情報工学部
    • 生命化学情報工学科

さらに極める

  • 大学院情報工学府
    • 情報創成工学専攻
        生命化学情報工学専門分野
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