九州工業大学

物質をとことん小さくし
新しい性質を持たせることで
AIロボットに大きく貢献する。

Researcher's Data

Name
田中 啓文
Affiliation
生命体工学研究科
人間知能システム工学専攻
Job Title
教授
Campus
若松キャンパス
研究室についてもっと詳しく知るにはコチラ

現在のAIシステムは、ほぼすべてソフトウェアによって動いていますが、コンピュータが使用する電力は莫大です。AI化が進むほど消費電力は大きくなり、近い将来の電力不足が心配されています。それを解決するためナノ材料の特性をうまく利用し、AIシステムの省エネ化を目指しています。

Researcher's Data

Name
田中 啓文
Affiliation
生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻
Job Title
教授
Campus
若松キャンパス
URL
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研究内容

たとえば、AIを人間の脳と同等の能力で働かせるためには、スーパーコンピュータ並みの電力量が必要になるとも言われています。そのAIシステムの消費エネルギーを軽減させるために、材料工学からアプローチしていくのが私たちの研究です。
物質をとことんまで小さくしていくと、物の性質はどんどん変化し、ナノレベルになるとそれまで考えもつかなかった性質が出てきます。そのナノ材料をいくつか組み合わせることで、材料自身が知能を持っているかのように振る舞うことがあります。私たちはその材料自身が持つ「マテリアル知能」を研究し、AIシステムの消費エネルギーを軽減するための一つの方法となる新しいデバイスを開発しています。

 
 

課題

材料からデバイスに展開するまでは比較的早く進みますが、そこからAIロボットに応用する部分(デバイスから回路への接続)が非常に難しいです。そこが、いわゆる死の谷といわれる部分で、現在はここに注力しているところです。

 
 

この研究で、
暮らしはどうなる?

たとえば、AIロボットが、人間の脳と同じくらいの消費電力で、人間並みの知能を持って動く世界がやってくるかもしれません。ロボットと家族団らんというのも夢ではないかもしれませんね。

 

今後の展望

現在の課題に取り組むためには材料工学からのアプローチだけでは困難で、回路?システム?アルゴリズムなどの専門家の力が不可欠となってきます。そこで発足したのが、「ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター」で、私がセンター長を務めています。材料開発からロボティクスまで一貫したAIハードウェア研究を行い、次世代AIシステムの実現を目指しています。 この研究は、日本国内でも希少な研究分野であり、このセンターを国内の拠点にしたいと考えています

センターのロゴマーク「ダンシングロボット」 研究で開発したロボットの脳を装填すると ロボットが踊りだすさまをイメージしています。

 
 

研究の魅力

材料自体に知能を持たせる、あるいは潜在的知能を引き出すことで、AIを担わせることができるかもしれないというのが魅力です。この研究はゼロからスタートしたばかりの分野で、国内で取り組んでいる人も少ない研究です。長い目で見ても九工大が中心となって進められる分野であり、将来性を感じています。

 
研究を一言でいうと…
「無限ループ」。

長いトンネルの後にやってくる発見や達成感が、言葉に表せないほどうれしいです。
だからまた、次の研究を始めてしまいます。研究とはその繰り返しなんです。研究を一言でいうと…

 

必須アイテム

  • ■ 理化学辞典
    大学4年の時からの愛用品。たまに開くと今でも役に立ちます。
  • ■ 工具
    装置を修理したりする時に工具は必要です。
  • ■ 走査プローブ顕微鏡
    ナノ構造物を観察するのに使います。
 
 

1日のスケジュール

出勤
娘を幼稚園に送ってから出勤
     
研究室セミナー
研究室セミナー週2回(1回2時間程度)行います。
     
研究員、学生と打ち合わせ
申請書や論文書き
     
帰宅
たまに夜中になることも。食事をすると仕事ができなくなるので、だいたい帰宅後に夕食
 

ライフスタイル

  • ■ 休日の過ごし方
    とにかく行ったことのない土地を訪問し、新しいことを見聞きするのが大好きです。
  • ■ 子供の頃の夢
    小さい頃から強いこだわりがあったわけではありませんが、不思議といろんな石(宝石や鉱石)に興味がありました。
  • ■ 研究者を志したきっかけは
    研究職について考えだしたのは高校から。きっかけは昔読んだ本(図巻だったと思います)。蓄光石などに興味を持っていたのですが、メカニズムが不思議で材料工学に興味を持ちました。
  • ■ 尊敬する人
    豊臣秀吉(出身地大阪の星!)、田中角栄。レールが用意されていなくとも情熱を注ぎ努力すれば成功できる事を示した方々です。
 
 

学生の頃に
「しておけばよかった」

小学校の頃はインドア派でした。もうちょっと外で遊んでもよかったかと思います。
 
 

もし大学教員
ではなかったら

研究所の研究員をしていたと思います。研究者になれなかったら何になっていたかはわかりませんが、海外を飛び回れる仕事についていれば幸せだと思います。
 
 
 

九工大のおすすめポイント

宇宙、環境、エネルギー、AIロボットなど九工大にはオリジナリティのある最先端研究分野が結構あります。ほどよくコンパクトにまとまって連携しているのも、大きな大学にはない魅力だと思います。

中高生へのメッセージ

もし工学を突き詰めたいと思ったら、九工大のようにオリジナリティの高い研究が多い大学に進むといいですね。世の中では誰でもが持っている技術はもとより、珍しい技術を持っている人が重宝されますよ。
 

この研究に
興味がわいたら…

ここに入学

  • 工学部
    • 工学2類
      (機械?制御?宇宙)
    • 工学3類
      (電気?電子?通信?情報?宇宙)
  • 情報工学部
    • 情工1類
      (情報?通信)
    • 情工2類
      (情報?機械?制御)
他大学の
機械系の学部

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