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九州工業大学と九州大学が衛星教育に関する共同プログラムを開始― 革新的宇宙理工学ミッションの中核人材の育成 ―

更新日:2022.02.14

九州工業大学と九州大学が衛星教育に関する共同プログラムを開始

革新的宇宙理工学ミッションの中核人材の育成

国立大学法人九州工業大学(以下「九工大」という。)と国立大学法人九州大学(以下「九大」という。)は、革新的な宇宙ミッションを企画?実行できる素養を持つ人材を育成するべく、両大学共同での教育プログラム「大学間連携による理学工学融合実践的宇宙ミッション早期教育プログラム」をスタートしました。同プログラムは、九工大が主管実施機関、九大を共同参画機関として文部科学省の365体育app3年度宇宙航空科学技術推進委託費(プログラム名:宇宙航空人材育成プログラム)に採択されているもので、両大学の強みやこれまでの実績を活かした取組になっています。既にテレビ会議を通じて両大学の学生約50名が定期的な交流を行うなど2022年1月から本格的に活動を開始しており、3月には衛星開発の第一歩としてミッション定義審査(MDR)*1を実施する予定となっています。

ポイント

  • 超小型衛星開発に実績のある九工大と宇宙科学の研究?教育に実績のある九大が連携
  • 両大学の学部生を中心とした工学?理学の相補的な衛星開発の実践的教育プログラム
  • 理学?工学に精通し革新的な宇宙ミッションを企画実行できる素養を持つ人材を育成

プログラム実施の背景
本プログラムは、国内の衛星教育に関して、以下のような課題の解決を目指しています。


? 超小型衛星の科学観測利用が欧米に比べてまだまだ少ない。
? 科学観測が大型-小型衛星中心なので、科学観測衛星の教育は大学院が中心となるケースが多く、意欲ある学部生が参加できる機会が少ない。
? 工学系では超小型衛星の教育利用が進みつつあるが、工学系学生が本格的な理学ミッションに参加する機会が少ない。
? 超小型衛星による科学観測を充実するためには、よりイノベーティブな発想が必要となるが、こうしたトレーニングを低学年のうちに実施する必要がある。

以上のように、理学系の学生が低学年のうちに衛星開発に関わる機会や、衛星工学を学ぶ工学系学生が理学的課題について学ぶ機会が少ないという課題がありました。そのため、超小型衛星開発に実績のある九工大(革新的宇宙利用実証ラボラトリー)と宇宙科学の研究?教育に実績のある九大(国際宇宙天気科学?教育センター)が連携し、外部の企業や研究機関の協力のもと、大学学部生を中心とした工学?理学の相補的な衛星 (CubeSat*2) 開発の実践的教育プログラムを実施することになりました。


拠点となる九工大キャンパス(戸畑キャンパス、飯塚キャンパス)

拠点となる九工大キャンパス(戸畑キャンパス、飯塚キャンパス)


プログラムの概要
本プログラムは2021年10月から開始し、九工大および九大内で学生の募集を行いこれまでに九工大にて31名、九大にて18名の参画学生を得て、2022年1月から本格的に活動を開始しました。九工大の学生は工学部の学生を中心に衛星の基幹部分(バスシステム*3)の開発を担当し、九大の学生は理学部の学生を中心に衛星が実施する理学観測のミッションシステム*4を担当します。衛星は2Uサイズ(10cm×10cm×20cm)のCubeSatで2023年度末までの完成を目指し、これにより、将来自立して革新的な宇宙科学ミッションを柔軟な発想で企画し、国際的プログラムをリードできる人材や宇宙開発?宇宙利用分野で幅広く活躍できる人材の育成を目指します。

プログラムの特徴
本プログラムの特徴は、工学系の学生と理学系の学生が大学の垣根を超えて協調的に衛星開発を行うことで、「理学?工学の両面に精通し将来革新的な宇宙ミッションを企画?実行できる素養を持つ人材」の育成を目的とすることにあります。両大学の参画教員が自大学の学生のみでなく連携校の分野の異なる学生に対しても教育を行うことで、理学?工学の相補的な教育プログラムを実施します。さらに、国内の先端研究を行っている大学や民間企業など外部機関の協力も得ながら事業を推進することを通じて、より実践的な人材育成を目指すプログラムとなっています。


*1 ミッション定義審査(MDR):衛星が実施する観測などのミッションについて必要な課題を整理し実現可能性を検討する審査会
*2 CubeSat:10cm×10cm×10cmを基準サイズ(1U)とした超小型衛星。2Uサイズは1Uの2倍で10cm×10cm×20cmとなる
*3 バスシステム:電源、通信、データ処理など衛星の基本機能を担うシステム
*4 ミッションシステム:衛星に搭載する観測機など衛星のミッションを担うシステム


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【事業内容に関するお問い合わせ】
 九州工業大学 革新的宇宙利用実証ラボラトリー
 工学研究院 宇宙システム工学研究系 教授 北村 健太郎
 TEL:093-884-3547
 E-mail: kitamura.kentaro375*mail.kyutech.jp

 九州大学 国際宇宙天気科学?教育センター
 理学研究院 地球惑星科学部門 教授 吉川 顕正
 TEL:092-802-6240
 E-mail: yoshikawa.akimasa.254*m.kyushu-u.ac.jp

【取材報道に関するお問い合わせ】
 九州工業大学 総務課広報企画係
 TEL:093-884-3008
 E-mail: sou-kouhou*jimu.kyutech.ac.jp

 九州大学 広報室
 TEL:092-802-2130
 E-mail: koho*jimu.kyushu-u.ac.jp

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