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九工大とHMD社が共同開発した高圧発生装置が室温超伝導の発見に貢献!!

更新日:2023.03.14

九工大とHMD社が共同開発した高圧発生装置が室温超伝導の発見に貢献!!


九州工業大学大学院工学研究院の美藤正樹教授が株式会社HMD社(北九州市八幡西区)と共同開発した小型高圧力発生装置が、Nature誌で発表された室温超伝導の発見に関する研究に貢献しました。同誌の論文に、高圧力下磁気測定で使用された圧力装置がHMD社製であり、その品質が室温超伝導の同定に365体育appな役割を果たしたことが言及されています。


ポイント

  • 本学とHMD社が共同開発した磁気測定用の高圧力発生装置が世界的発見に貢献
  • 超伝導の検証に必要な磁束排斥効果の観測を成功させるために同装置が365体育appな役割を果たした
  • モノづくりを志向する本学の研究姿勢が最先端の基礎科学研究に貢献した格好の例となった

本学工学研究院の美藤教授とHMD社は磁気測定用の小型高圧力発生装置を開発し、2008年に特許出願しました(2012年に特許権利化されました)。この高圧力発生装置は世界的に普及している汎用の精密磁気測定装置用に設計されたもので、同高圧発生装置の利用者は世界中に存在します。高圧発生装置の小型化と油圧プレスを必要としないコンパクト化が特徴で、特に、高圧力下磁気測定に経験がない研究者が高圧実験に参入する技術的?金銭的ハードルを大きく軽減しています。非磁性材料の使用には細心の注意を払っており、微弱信号検出に有効な装置です。

2023年3月8日にNature誌で室温超伝導の発見を示唆する論文が公開されました。世界中の物理?化学者が大いなる刺激を受けたことは間違いなく、今後の追試実験が待ち望まれるところです。その室温超伝導は窒素がドープされたルテチウム水素化物を大気圧の1万倍の圧力下で置くことで実現されます。超伝導の検証には、電気抵抗測定によるゼロ電気抵抗の観測と磁気測定による磁束排斥効果(通称、マイスナー効果)の観測が必要で、両方の検証が揃わなければ超伝導と認められにくいです。過去にも室温に迫る温度域で超伝導が報告された例はあるのですが、100万気圧以上の高圧力環境が必要であり、室温超伝導が我々の実社会に恩恵をもたらすかどうかを考える上で、大気圧下での室温超伝導実現に大きな前進を見せたと言えます。

今回の室温超伝導の発見(今後追試の検証は必要ですが、ひとまず“発見”としておきます)の磁気測定で、本学とHMDが共同開発された高圧力発生装置が利用されました。超伝導の検証には細心の配慮を払わねばならず、著者は論文中にHMD社の名前入りで実験状況を丁寧に説明しています。このことは、モノづくりを志向する本学の研究姿勢が、地元企業に潜在する高いポテンシャリテイを開花させ、最先端の基礎科学研究に貢献した格好の例と言えます。今後ますますこのような研究姿勢を発展?継続させる所存です。



なお、特許化された技術は日本以外で、2014年米国、2015年中国においても知財化されています。また、上述のNature誌の論文は、N. Dasenbrock-Gammonらによって“Evidence of near-ambient superconductivity in a N-doped lutetium hydride”というタイトルで2023年3月8日に掲載されました。


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