更新日:2010.09.02
学内横断型研究組織「有機エレクトロニクス研究グループ(KORG)」は、優れた大気安定性を持つn型有機半導体の開発に成功しました。
簡便な合成プロセスにより新規なn型有機半導体を開発し、これを有機トランジスタ(Organic Thin-Film Transistor : OTFT)に実装し、3ヶ月以上にわたって大気中で安定に動作する優れたn型OTFTの開発に成功しました。今回開発したn型OTFTと、別途大気安定なp型OTFTとの組合せにより、低消費電力な基本論理回路である相補型反転回路(インバータ)を、柔軟なプラスチックフィルム上に形成し、大気中で安定で柔軟な有機電子回路の開発に成功しました。本成果は、RF-ICタグなどに用いることができ、低価格で環境負荷の少ない有機材料で形成する、軽量で柔軟な「プラスチックエレクトロニクス」を実現することができ、今後の応用開発の展開に期待がもたれます。今後KORGでは、更なる材料開発とデバイス開発を進める方針です。
この研究成果は、平成22年9月14日から長崎大学で開催される2010年秋季第71回応用物理学会学術講演会で発表されます。
本研究は財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)の助成を受けております。
九州工業大学 有機エレクトロニクス研究グループ
Kyushu Institute of Technology, Organic Electronics Research Group (KORG)
代表: 金藤 敬一、生命体工学研究科?教授
早瀬 修二、生命体工学研究科?教授
溝口 勝大、産学連携推進センター?客員教授
高嶋 授、先端エコフィッティング技術研究開発センター?准教授
岡内 辰夫、工学研究院物質工学研究系?准教授
森口 哲次、工学研究院物質工学研究系?助教
永松 秀一、情報工学研究院電子情報工学研究系?助教