更新日:2017.08.24
本学工学研究院 建設社会工学研究系 伊東啓太郎教授が委員長を務める「遠賀川流域生態系ネットワーク検討委員会」の会合が平成29年8月18日(金)、直方市の遠賀川水辺館で行われました。
この委員会では、遠賀川流域に生息する生物の保全を通して河川環境などを考え、遠賀川を明治期以前の河川環境に近づけることを目標にしており、今回の会合では、遠賀川流域の特徴について、豊富な農作物や歴史?文化的資源、活発な住民団体の活動などと指摘しました。一方で①森林の荒廃や宅地化に伴う湿地の減少、②九州でワースト上位の水質、③大量のごみ問題-などの課題を挙げ、その上で、まずアユやナマズなどの身近な魚が生息できる環境づくりから取り組み、その後にほ乳類や両生類、大型鳥類などの生息環境を整えていくことなどを求めた提案書を纏めました。
野生生物の成育場としての川や緑地などを空間をつないで環境を保全する生態系ネットワークは、1998年の「21世紀の国土のグランドデザイン」で国として形成を目指していくことが位置付けられたもので、九州の1級河川では初めての取り組みです。
今後、作成した提案書を国土交通省遠賀川河川事務所に提案し、前述の目標に向け具体的な取り組みを進めて行く予定です。
◇この取り組みは、
西日本新聞(H29.8.19朝刊)、毎日新聞(H29.8.19朝刊)、読売新聞(H29.8.20朝刊)に掲載されました