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科学者、事務職員?技術職員行動規範

九州工業大学科学者行動規範

九州工業大学(以下「本学」という。)は、わが国の産業発展のため、品格と創造性を有する人材育成を基本理念とし、社会に対する大学の責任(University Social Responsibility)を重視しています。そのため、イノベーションの場として研究を行う本学において、研究活動に関わる全ての者(以下「科学者」という。)は、科学研究が社会に及ぼす影響と責任を自覚し、社会からの信頼と負託に応える責務が求められます。ここでいう「科学者」とは、人文?社会科学から自然科学までを包括する全ての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者を意味します。科学と科学研究は、社会の中に、そして社会のために存在します。科学者は、科学と社会の健全な関係の構築と維持に参画すると同時に、その行動を厳正に律するための倫理規範を確立する必要があります。

これらの基本的認識の下に、本学に所属する科学者が、主体的かつ自律的に科学研究を進め、本学の教育研究活動の健全な発展を促すため、全ての学術分野に共通する必要最小限の倫理規範を、日本学術会議声明「科学者の行動規範」(平成25年1月25日改訂)に準拠し、本学の行動規範として策定しました。なお、本行動規範の上に、本学の基本理念が成立することはいうまでもありません。

Ⅰ.科学者の責務
 (科学者の基本的責任)

1.科学者は、自らが生み出す専門知識及び技術の質を担保する責任を有し、さらに自らの専門知識、技術及び経験を活かして、人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環境の持続性に貢献するという責任を有する。

 (科学者の姿勢)

2.科学者は、常に正直、誠実に判断、行動し、自らの専門的知識、能力及び技芸の維持向上に努め、科学研究によって生み出される知の正確さ及び正当性を科学的に示す最善の努力を払う。

 (社会の中の科学者)

3.科学者は、科学の自律性が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを自覚し、科学、技術及び社会、自然環境の関係を広い視野から理解し、適切に行動する。

 (社会的期待に応える研究)

4.科学者は、社会が抱く真理の解明及び様々な課題の達成に向けた期待に応える責務を有する。研究環境の整備及び研究活動の推進に供される研究資金の使用に当たって、そうした広く社会的な期待が存在することを常に自覚する。

 (説明と公開)

5.科学者は、自らが携わる研究の意義と役割を積極的に公開し、その研究が人間、社会並びに環境に及ぼし得る影響及び起こし得る変化を評価し、その結果を中立性かつ客観性をもって公表するとともに、社会との建設的な対話を推進する。

 (科学研究の利用の両義性)

6.科学者は、自らの研究成果が、科学者自身の意図に反して、破壊的行為に悪用される可能性もあることを認識し、研究の実施及び成果の公表に当たって、社会に許容される適切な手段と方法を選択する。

Ⅱ.公正な研究
 (研究活動)

7.科学者は、自らの研究の立案、計画、申請、実施及び報告等の過程において、本行動規範の趣旨に沿って誠実に行動する。科学者は研究成果を論文等で公表することで、各自が果たした役割に応じて功績の認知を得るとともに責任を負わなければならない。研究データの記録保存及び厳正な取扱いを徹底し、ねつ造、改ざん又は盗用等の不正行為をなさず、また加担しない。

 (研究環境の整備及び教育啓発の徹底)

8.科学者は、責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な研究環境の確立及び維持も自らの365体育appな責務であると自覚し、科学者コミュニティ、本学の研究環境の質的向上及び不正行為抑止の教育啓発に継続的に取り組む。また、これを達成するために社会の理解と協力が得られるよう努める。

 (研究対象等への配慮)

9.科学者は、研究活動への協力者の人格及び人権を尊重し、福利に配慮する。動物等に対して、真摯な態度でこれを扱う。

 (他者との関係)

10.科学者は、他者の成果を適切に批判すると同時に、自らの研究に対する批判には謙虚に耳を傾け、誠実な態度で意見を交える。他者の知的成果等業績を正当に評価し、名誉及び知的財産権を尊重する。また、科学者コミュニティ、特に自らの専門領域における科学者相互の評価に積極的に参加する。

Ⅲ.社会の中の科学
 (社会との対話)

11.科学者は、社会と科学者コミュニティとのより良い相互理解のために、市民との対話と交流に積極的に参加する。また、社会の様々な課題の解決と福祉の実現を図るために、政策立案及び決定する者に対して政策形成に有効な科学的助言の提供に努める。その際、科学者の合意に基づく助言を目指し、意見の相違が存在する場合、これを解り易く説明する。 

 (科学的助言)

12.科学者は、公共の福祉に資することを目的として研究活動を行い、客観的で科学的な根拠に基づく公正な助言を行う。その際、科学者の発言が世論及び政策形成に対して与える影響の重大さと責任を自覚し、権威を濫用しない。また、科学的助言の質の確保に最大限努め、同時に科学的知見に係る不確実性及び見解の多様性について明確に説明する。

 (政策立案?決定者に対する科学的助言)

13.科学者は、政策立案及び決定する者に対して科学的助言を行う場合、科学的知見が政策形成の過程において十分に尊重されるべきものであるが、政策決定の唯一の判断根拠でないことを認識する。科学者コミュニティの助言とは異なる政策決定が為された場合、必要に応じて政策立案及び決定する者に社会への説明を要請する。

Ⅳ.法令の遵守など
 (法令の遵守)

14.科学者は、研究活動の実施、研究資金の使用等に当たって、関係法令及び学内規則等を遵守する。

 (差別の排除)

15.科学者は、研究、教育及び学会での活動において、国籍、人種、民族、性別、地位、思想?信条又は宗教等によって個人を差別せず、科学的方法に基づき公平に対応して、個人の自由及び人格を尊重する。

 (利益相反)

16.科学者は、自らの研究、審査、評価、判断及び科学的助言などにおいて、個人と組織、あるいは異なる組織間の利益の衝突に十分に注意を払い、公共性に配慮しつつ適切に対応する。

平成18年8月2日制定
平成29年3月1日改訂

九州工業大学事務職員?技術職員行動規範

大学の使命は、教育研究と社会貢献であり、これらの使命のなかでも、九州工業大学は、わが国の産業発展のため、品格と創造性を有する人材育成を基本理念に 掲げ、社会に対する大学の責任(University Social Responsibility)を重視しています。
そのため、教育研究活動に直接携わる研究者だけでなく、事務職員や技術職員をはじめとする教育研究活動を支援する職員にあっても、社会の信頼に応えるようここに行動規範を定めます。

本学の事務職員や技術職員をはじめとする教育研究活動を支援する職員にあっては、絶えず本学の職員としての誇りを持ち、かつ、各々の使命?職責を自覚し 行動するとともに、自らの行動が本学の信用のみならず、全国の大学全体の信用に影響を与えることを常に認識し、高い倫理観を持って職務を遂行します。

また、法令や関係規則等に則り、社会的良識を持って業務にあたり、公正、公平かつ透明性を確保しつつ遂行するとともに、特に、公的研究資金における経理等の業務に際しては、社会の疑惑や不信を招くような行為を厳に禁止することはもとより、併せてこのような行為を未然に防止する方策を講ずることにより、地域社会からの信頼に応えます。

国立大学法人九州工業大学における公的研究費の使用に関する行動規範

公的研究費を原資とした研究活動は、国民の信頼とそれに基づいた国民からの負託によって支えられている。そのため、公的研究費の執行は適切に実施されなければならず、とりわけ、その不正使用は、国民の信頼と負託を大きく損なうものであり、それを起こした職員が所属する機関ばかりではなく、我が国の科学技術振興体制を根底から揺るがすものである。

このことを踏まえ、国立大学法人九州工業大学(以下「本学」という。)は、本学で実施される学術研究活動の信頼性と公正性を担保するため、学術研究活動に係る公的研究費の使用に関する行動規範を定めるものとする。

本学の職員その他本学の公的研究費の運営及び管理に関わる全ての者(以下「職員等」という。)は、これを誠実に実行しなければならない。

1.職員等は、公的研究費が本学で管理する公的な資金であることを認識し、公正かつ効率的に使用しなければならない。

2.職員等は、公的研究費の使用に当たり、関係する法令、通知及び本学が定める規程等、並びに事務処理手続き及び使用ルールを遵守しなければならない。

3.職員等は、研究計画に基づき、公的研究費の計画的かつ適正な使用に努めなければならない。特にその事務に携わる者は、当該公的研究費の特性を理解し、効率的かつ適正な事務処理を行わなければならない。

4.職員等は、相互の理解と緊密な連携を図り、協力して公的研究費の不正使用を未然に防止するよう努めなければならない。

5.職員等は、公的研究費の使用に当たり取引業者との関係において、国民が疑念及び不信を招くことのないよう公正に行動しなければならない。

6.職員等は、公的研究費の取扱いに関する研修等に積極的に参加し、関係法令等の知識習得、事務処理手続き及び使用ルールの理解に努めなければならない。


学長室より
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